ヴェニスの商人

劇団四季自由劇場 / 昼 / 1階 3列 24番

うすうす感じてはいたのですが、…アントーニオー。出番少ないし、面白味に欠ける役柄ですね。荒川さんのユーモアなどがイマイチ堪能できませんでした。

“劇団四季の「ヴェニスの商人」”はタイトル違いですね。「シャイロック」とした方がいいかもしれません。

思い出したのは「ガラスの仮面」の「カーミラの肖像」です。(また漫画)

北島マヤを失墜させた乙部のりえが主演マリア役、客演(?)の吸血鬼カーミラ役に姫川亜弓。唯一のライバル・マヤを落とし入れた乙部をこらしめるため、亜弓が立ちあがるんですよね。本来、マリアが吸血鬼であるカーミラ(悪役)を追い詰めるストーリーだったものを、亜弓の演技力で巧みに「カーミラの悲劇」に演じかえてしまうんです。

それを思い出しました。
つまり、悪役であるシャイロックが哀れにさえ見えてきてしまう。

裁判シーンも途中まではポーシャの機転によりアントーニオが助かり、「よし!」と思って観ていましたが、3000ダカットは受け取る権利はない、財産まで巻き上げるだの言いはじめる頃にはシャイロックが気の毒にさえ見えました。

それに輪をかけるように、シャイロックが公邸(かな?)を立ち去る際、グラシャーノーだか、サレアリオーだかが(人多すぎでわかんない)、蹴倒し、その後みんながどつき、女性はあざ笑います。もういじめにしか見えない。

「この後の指輪のシーンがないまま、もう”シャイロックの悲劇”で終わっちゃうのかな?」と思うくらい、シャイロックの劇でした。

だからその後ポーシャとネリサが夫から指輪を巻き上げ、またポーシャ邸で返すところまでが、実に気分悪い…というか…。「ヴェニスの商人」は「シェークスピアの喜劇」だったはずですが、わたしの中では完全に「悲劇」ですよね。

で、ポーシャの機転のよさや行動力、バーサーニオーのダメなのに憎めないキャラや、ネリサのハキハキしたかわいさ(森実さんホントかわいかった!!)とか目立っていた中、アントーニーオーのキャラの引き立たないこと!面白味のカケラもなかったです。ああ、残念。

「ジーザス・クライスト=スーパースター」の時も思ったのですが、背景がわからないとイマイチ堪能できないですね。この「ヴェニスの商人」も「キリスト教徒」と「ユダヤ人」の対立ぽいことが出てくるのですが、その関係性がわからないので、どうしてそこまでユダヤ人であるシャイロックが悪人なんだかがわからず、ただの哀れなジジイにしか見えなくて、余計「シャイロックがかわいそうじゃん」的感情に傾くのかもしれません。

あと劇団四季のストレートプレイはどーーして、こうなんだろう!?と思うことしきり。

セリフの言いまわし。気持ち悪いです。聞き取りやすいのは聞き取りやすいんですが、「滑舌よくしゃべっています」っていうだけで気持ちがこもっていないというか…。(でもやはり日下さんは素晴らしいですね。←すっかり入れ込んでしまったわたし)

あの場転の時の白々しい「ぅわぁはっはっはっ」みたいな笑い声。ちっともおかしくないっていうの…。あと同じく場転の時の「ドォ~~~~~~ン」みたいな音効。「オンディーヌ」の時も、「ハムレット」の時も使われていませんでした?同じもの。あの「ドォゥ~~~ン」みたいなアレ、耳障りです。

今日の席は2列目の上手側A席。裁判のシーンでは完全にアントーニオー、バサーニオー、グラシャーノーのおしりだけしか見えない席でした。(公爵=広瀬さんなどが全然見えない。)

途中まで(だいぶラストまで)、「ああ、あと1枚チケット持っているけど売っちゃおう…」って思っていました。しかし。アントーニオーがガッ!と胸を開くシーン…。背中しか見えなかった…。

やっぱりもう1度観に来ないと…、と思ったのでした。(その1枚は最前列下手A席。完全なおバカファン)

【おすすめ度(1-10)】3.0
【もう一度観にいきたいか】
・他の演出家&キャストでは観てみたい。
・「荒川さんの胸はだけ」だけを観にもう一度観に行きますが四季はもういい。
【本日のキャスト】
シャイロック:日下武史
アントーニオー:荒川務
バーサニオー:栗原英雄
ポーシャ:坂本里咲
ネリサ:森実友紀
ジェシカ:西田有希(劇団俳優座)
ヴェニス公/テュバル:広瀬明雄
モロッコ王:田中廣臣
アラゴン王:松下雅博
ロレンゾー:丹下博喜
ランスロット・ゴボー:味方隆司
老ゴボー:立岡晃
グラシャーノー:青山祐士
ソレイニオー:荒木勝
サレアリオー:田中裕悟
男性アンサンブル:
辻仁、中山大豪、吉田陽一
女性アンサンブル:
木村不時子、種子島美樹、大西奈穂、岡本和子、藤井智子

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